Excessive Motion
ふとした空き時間や物思いに耽っているときに、メモ用紙を折り曲げたりペンを回したりと身近なもので手遊びしてしまうことがある。日頃から使っているものほど、本来の用途を超えていろいろな使い方をしていることに気づく。
これまでに行ってきた “Interaction in Life” の観察から、生活空間に置かれたものが動くことで、より多彩な遊びを誘発する様子を目の当たりにしてきた。従来の動くものの設計は安全性や耐久性の面から機構が筐体の内部に入っており、触れられないようになっていることが多い。しかし、動きをインターフェースとして考えるときには、動きの遊ばれ方が無視できなくなるのではないかと考えている。 “Excessive Motion” は動きを伴うインタラクションのデザイン提案である。このプロジェクトを通して、動きをデザインするためのプロセスや視点を再考する試みである。
ものの動きにおける Flat design
観察を通して、物の動きに対して人が感じてしまう生き物らしさが、人の行動に大きく影響することがわかった。動きを伴うインタラクションを日常生活にデザインするときには、生き物らしさをできるだけ感じさせないような制作を心がけることで、デザインの可能性を広げることができると考えている。
<主な参考文献>
- Gaver, W. W., Bowers, J., Boucher, A., et al. The drift table: designing for ludic engagement. Proc. CHI EA ‘04. ACM Press (2004), 885-900.
- Norman, D. A. Emotional design: Why we love (or hate) everyday things. Basic books(2004).